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茶の木

 

スリランカ紅茶教室 NO8
 


   茶の木

(学名:Camellia sinensis)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹である。
チャの木、あるいは茶樹とも記される。単にチャ(茶)と呼ぶこともある。
原産地は中国南部とされている。

学名:amellia sinensis
英名:Tea plant
変種:中国種 var. sinensis
アッサム種 var. assamica

 生 態

中国や日本で栽培されている1m前後の低木(学名: Camellia sinensis)と、インド・スリランカなどで栽培されている8〜15mにも達する高木(アッサムチャ。学名: C. sinensis var. assamica)の二種類がある。
樹皮は滑らかで幹の内部は堅い。
日本産のものと中国産のものは植物学上同一種として扱われているが、花卉の形状などに明らかな違いが認められる。
チャは亜熱帯原産の植物であるため、寒さにはそれほど強い方ではない。
暑さに対しても、乾燥した気候には弱く、干ばつ(干害)で枯れ込むこともある。
チャは他の多くの植物と違って、酸性土壌を好む植物であり、土壌の酸性化が進んでいる場合でも耐性が比較的強い。
本来は陽樹に区分されるが、日射量が少ない環境にさらされても生き延びることができるという、耐陰性に優れた特性を持っている。
 茶 園

茶園(ちゃえん)とは、チャノキの畑のことである。
茶の木はプランテーション作物の代表例の一つであるが、プランテーションとは異なった形態で栽培される国もある。
 園 相

園相とは良い茶園を作る要素のことである。
気象条件や適した土壌作り、葉のつき方、葉の持つ力(葉力)など茶園の出来を推し量る用語として使われている。
「園相が良い」などと表現する。茶園を管理する際は園相を見極める目が重要となる。
 収 量

茶園の収量は茶葉の取れる芽数、茶の芽の質の高さを図る芽重、全体的な収穫面積を表す摘採面積で決まる。
芽数を上げれば芽重が減り、芽重を上げれば芽数が減るなど相対的な関係があるため、収量を考える時は品種にあわせてどの部分を重視するかが重要になる。
摘採法によっても収量に違いがあらわれる。
摘採法は主に手摘みと機械摘みに分かれ、機械摘みは大幅に摘採時間を短縮する事が出来る反面、一定のラインから葉を分け隔てなく摘んでしまうため、手摘みのほうが質の高い収穫を得ることができる。
手摘みは古くからの摘採法として様々な摘採法が生み出されている、機械摘みと違い必要以上に茶葉を摘まないため、次の葉の成長後に摘採が期待できその収量にも期待が持てる。
 気象条件

チャノキは低温に弱い。
気温がマイナス10℃からマイナス13℃で葉が渇変し、更にそれ以下で葉や枝が死滅する恐れがある。
高温で土壌とチャノキに水分が不足する干害にも注意が必要となる。
茶の生育温度は20℃から28℃である、それより高温である場合、特に30℃を越えると生育に支障をきたす。
葉の日焼けなどで被害を受けることがある。
 干害の被害

干害による被害は、水分不足による枝枯れ、長時間日光を浴びることによる日焼け、落葉などがある。
 土 壌

茶の肥料の主成分は、窒素である。
窒素吸収率を向上させる土壌作りのために注目するものは主に水量、空気量、土量の3つである。
根の働きは土壌から多くの養分を吸収し茶の木に行き渡らせることで、より深く細部に亘って根を張り巡らせることで効果的な力を発揮させることができる。
根の生育が行いやすいように土を耕して空気量を高め、土にたい肥、刈り草を行い微生物の有機物分解を助け保肥力、保水力を高めるなどの対策を行い根量を増やす工夫をしている。
 病虫害

収穫で注意するのは炭疽病、アミモチ病の他、コカクモンハマキ、チャハマキ、ネマトーダなどの害虫が発生するため、孵化前にまとめて駆除するなどの防除対策を行う。
高温乾燥が続くと発生する恐れがあるのがクロシロカイガラムシ、カンザワハダニなどで、逆に雨が多く低温な日が続くと、炭疽病やもち病などが発生しやすくなる。
茶の木が花をつけたとき、落ちた花が茶葉の上で腐敗し、灰色かび病という病気を引き起こす場合がある。
この場合は、開花と落花時期に殺菌剤の散布が必要となる。
 チャドクガ

チャドクガ(茶毒蛾)はチョウ目ドクガ科の昆虫。
本州以南の日本各地に分布。年2回発生、卵越冬。
日本では代表的な毒蛾である。
園芸植物に被害を及ぼすほか、「刺されて」被害にあう人が後を絶たない。
 皮膚炭疽症

炭疽菌が顔、首、手などの皮膚の小さな傷から侵入すると、1〜7日後ニキビ様の小さな掻痒性または無痛性の丘疹が現れ、周囲には発疹と浮腫が現われる。
丘疹は崩壊し潰瘍となり黒い瘡蓋を形成し、高熱が出る。
炭疽症の大部分はこれに含まれる。
未治療の場合の致死率は10〜20%灰色かび病Botrytis cinereaという糸状菌による植物の病害。
多くの植物がこの病害にかかる。
病徴は、茎、葉、花が褐色に腐敗したのち、灰色のカビに覆われる。
発生適温は25℃前後で、湿度が高い場合に多く発生する。
 茶樹の原産地

茶樹の起源の地として中国南西部の雲南省が最も有力とされています。
この地方で産する茶樹に雲南大葉種があり、茶の原種に近いとされています。
葉が大きく喬木のためアッサム系に分類されます。
雲南大葉種の代表として、1951年雲南省の西双版納(シーサンバンナ)で発見されました。
栽培種として世界最古とされる樹齢800年の「茶樹王」があります、しかし1994年の落雷で枯れ、現在は樹齢500年前後と思われる2代目が指定されています。
周辺の原生林では樹齢1700年という「茶王樹」などさらに古い木も見つかっていますが、これらは茶の近縁種です。
茶樹の系統には大きく分けて潅木の中国種(小葉種)と喬木のアッサム種(大葉種)の2種があります。
その形態、性質は全く別の植物と思われるほどに異なりますが、相互に自由に交配して雑種ができます。
根本的には中国種(小葉種)もアッサム種(大葉種)も同じ も同じ「茶の木」に起源を持つからなのです。


中国種
 中国南西部の雲南省に起源をもつ茶の木は、揚子江に沿って茶の栽培地帯が東に拡大するにつれて、冬の寒さに適応するために葉の小さな潅木の茶樹が生き残り、また緑茶として適度な成分の樹が栽培されていったと考えられています。
中国種は耐寒性に優れ、冬に凍結する地域でも栽培できます。
比較的カテキン含有量が少なく、酵素の活性も弱く酸化発酵しにくいことから、緑茶向きとされています。
中国、日本などの緑茶生産国で栽培されているほか、イラン、グルジア、トルコなど冬の寒さが厳しいところでは中国種を栽培して紅茶を作っています。
 近年日本でも中国種の茶葉で紅茶を作っている農家が増えていますが、苦味、渋みがなくやさしく甘い味わいの紅茶となるようです。

アッサム種
 1823年、英国人M.R.ブルースがアッサムの奥地シブサガルの近郊で野生のアッサム種を発見しました。
当時英国の植物学者は、葉が中国種よりはるかに大きく樹木も喬木であり、形態があまりにも違うために茶と認めませんでした。
後に弟のC.A.ブルースがこの植物を栽培し、花や実をカルカッタの植物園に植えられていた中国種と比較、最終的に英国王立学会が茶の変種と判断しました。
耐寒性が弱く、栽培は無霜地域に限られますが、カテキン含有量が多く酵素の活性が強く発酵しやすいことから、紅茶向きとされています。
生育が良く葉も大きく収量があり、アッサム地域はもちろん、スリランカ低地、インドネシア、ケニアなど紅茶の新興産地で無霜地域には、殆どこのアッサム種の選抜品種が導入されています。
深みのある赤い水色、やわらかな香り、コクのある力強い味を特徴としています。
ミルクと相性のよい紅茶です。

アッサム雑種
 インドのダージリンやスリランカの高地には中国種が導入され、今でもわずかに残っていますが、今日では中国種にアッサム種を交配したアッサム雑種が主力であり、高い評価を得ています。
これらの産地でクオリティーシーズンにできた最上級の紅茶は、花や果物にもたとえられる、優雅で特徴的な香りを持つことで知られています。
 日本でも明治時代より、アッサム種が導入され日本在来種との交配が行われてきており、「べにほまれ」  「べにひかり」「べにふうき」など寒さに強く、日本での栽培に適した紅茶用優良品種が多く育成されています。


1. 美味しい紅茶の条件  2. 成分と薬用効果  3. スリランカの紅茶  4. Ceylon Teaの歴史
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